5.4.12

コーヒーのお作法、紅茶のお作法。

いつも利用しているコーヒー屋さんから、オンラインでオーダーしていた豆が届きました。



今回は1.5キロ。これを冷凍庫に入れておいて、その都度必要な分だけ出して、ミルで挽いてフィルターで淹れます。

「いちいち手で豆を挽くのは、面倒じゃない?」とよく聞かれますが、これがあまりにセラピューティック(自己療法的)で、癒されるんですよね。コーヒーの香りがふわーーっと漂ってくる、なんともいえない幸せな時間です。豆を出して、挽いて、淹れる、というプロセスを全部ひっくるめてのコーヒータイムなので、ちょっと茶道的なお作法ともいえます(あくまで私にとっては)。

お作法といえば、うちの相方(英国人)が、去年から引きずっていたひどい風邪をこじらせてしまい、何回も医者に通ったり、抗生物質を飲んだりした結果、なんとか風邪は治ったものの、一時的に変な後遺症が残りました。

それが、「ミルクティーが飲めない」というもの。

日本人が想像するイングリッシュ・ティータイムにありがちな、やれダージリンだ、アッサムだ、オレンジペコだ、ファーストフラッシュだ、なんて、平均的な英国人にとっては、どこ吹く風。濃いめにブレンドされたティーバッグで(しかもほんとんどの人が色さえ出てればOK)、ミルクたっぷりで飲むパターンが圧倒的。

私は、紅茶の雑誌の仕事に携わっていたときに、マスタークラスで一応「お勉強」した頭でっかちなので、ガンガンに沸騰させたお湯に、ティーバッグを30秒くらいつけて、色が出たら、ただフリフリしてカップから出してしまう、あの紅茶のいれ方がちょっと、というか、かなり気になるのですが、もちろん、相方もそういういれ方をしています。

お仕事を通じて、プロのティーテイスターの方を始め、業界の第一線で活躍される方々にもお会いしましたが、彼らのなかにも、仕事と してのお茶と、自宅で普通に飲むお茶を分けている方もいて、やっぱりふつうの濃いめのミルクティーを飲んでいる姿を見ると、英国人だなぁと思います。

そんなわけで、私にしてみたら、特に特筆すべきこともない、相方の紅茶の習慣ですが、このミルクティーが飲めない期間、「紅茶のリチュアル」が好きなのに、おいしく飲めないのが辛い、と言っていました。 彼の言うところの「リチュアル(お作法)」とは、職場で近くの人たちに「紅茶飲む?」と聞き、給湯室に行ってお茶をいれ…といった、すべてのプロセスを含んでいるのだそうです。

そういえば、紅茶の雑誌に携わっていたときに、専門家の方からうかがって、なるほどなぁと思ったことがあります。

コーヒーを飲んだら眠れなくなる、とはよく言いますが、同じようにカフェインが入っていても、紅茶を飲んだら眠れなくなる、ってあまり言いませんよね。

コーヒーのカフェインは、瞬間湯沸かし器のように、ガツンと飲むそばからいきなり来るらしいのですが、紅茶にはカテキンなどの成分が含まれているため、カフェインが作用していくのが実にゆっくりなのだそうです。だから、刺激がゆるやかなのですね。

ゆえに、専門家の方が言うには、「討論するときにはコーヒー、会談するときには紅茶」なんですって。会議のときに、攻めの姿勢でいきたいときはコーヒー、相手を懐柔したいときは紅茶を飲んでみてはいかがでしょうか。なんて(笑)。

会談用はこちら? でも英国人ってほんとアフタヌーンティーしないよね…。



0 件のコメント:

コメントを投稿

お気軽にコメントをお残しください。

Please feel free to leave your comment.